スタッフブログ

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日々、県内を回るスタッフがとれたての情報をお届けします。

東松島市 2017.12.07

鮫ヶ浦水曜日郵便局

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あなたの水曜日の日常を、知らない誰かに宛てて綴ってみませんか?

東日本大震災の被害に遭った東松島市宮戸島に、水曜日だけ開く郵便局ができました。自分に起こった水曜日の出来事を手紙に書いてそこへ送ると、代わりに別の誰かが書いた水曜日の手紙が届くという、ちょっと不思議なプロジェクトの始まりです。

きのう開局した「鮫ヶ浦水曜日郵便局」は、美しい自然が残る宮戸島の、大鮫隧道とよばれる手堀りのトンネルを通った先にあります。

60メートルほどの真っ暗なトンネルを進んでいくと、小さな光が近づいてきます。光を目指してゆっくり歩いていると、なんだか時間や空間を飛び越えているような感覚にとらわれます。違った世界につながるような、静かで神秘的な空間です。

トンネルを抜けると、美しい入り江が広がっていました。
ここは縄文時代の人々が暮らした場所であったり、爆弾を積んだ特攻艇「震洋」の訓練所であったり、小さな漁港であったりした場所です。長い歴史のある東松島の地域資源は、ロマンあふれる手紙のストーリーを盛り立ててくれます。

今は無人のこの場所に水曜日郵便局のシンボル「灯台ポスト」が設置され、きのう初めて手紙が配達されました。ここに届いた手紙は、個人情報を伏せたうえで同じく手紙を送った誰かへ無作為に転送されます。平成25年に熊本県で始まったこのプロジェクトは、ファンタジー性のあるコンセプトが話題を呼び、開局中の3年間に約1万通の手紙が交わされたそうです。

手紙でしかできない温かい心のつながりを、ぜひ感じてみてください。公式ウェブサイトからダウンロードする専用の便箋を使って、誰でも、どこからでも参加できます。期間は1年間の予定です。
手紙の送り先など詳しくは公式ウェブサイトをご覧ください。

鮫ヶ浦水曜日郵便局 ☞ https://samegaura-wed-post.jp/

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かつての石巻市大川地区を再現した模型の展示施設が、被災した大川小学校近くに建てられました。

模型の製作は、震災後の地域再生に取り組む「一般社団法人長面浦海人」のみなさんと住民の方々が、記憶や写真をもとに昨年から進めてきました。
神戸大学などの協力のもと、まち並みや山林などの地形が立体的に再現され、住民が思い出を手書きした約1,000枚のアクリル片が立っています。壁には地域のくらしを記録した写真の数々も貼られています。

土日はなるべくオープンさせたいそうですが、「海人」のみなさんは漁などをしながら施設を管理しています。平日の施設は無人になりますので、いずれも見学には予約が必要です。連絡先は「長面浦 海人の家 はまなすカフェ」☎090(7330)3311(営業は日曜10:00~15:00、月~土は予約のみ)へ。
※多くの方に見てほしいため、なるべく団体での見学をお願いしています。

施設の場所は大川小前の県道を挟んだ北側です。

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せんだい3.11メモリアル交流館の企画展「仙台市宮城野区蒲生字町87」を見てきました。

蒲生地区は仙台市東部、七北川の河口付近にあります。
多年草の植物「蒲」が生い茂っていたことが地名の由来と言われています。

交流館の壁に描かれている可愛い地図で見てみると、こんなところです。
昔は水運の要所として栄えた地域でした。

蒲生干潟には渡り鳥が飛来し、水辺には希少な生き物が住んでいました。
豊かな自然があり、たくさんの人々が訪れた場所です。
サーフィンするひと、潮干狩りするひと、
日本一標高の低い山「日和山」から初日の出を拝むひと、
私のように、ただただ海を眺めてぼ~っとするひと、などなど・・・

東日本大震災が発生し、たくさんあった住宅や、松などの植物は津波にのみこまれてしまいました。
今回の企画展では、震災以前の蒲生地区の様子を写した写真が展示されています。

住宅の密集する小道を、小さな祠や古い商店を横目に、自転車で颯爽と(?)すり抜けて干潟を目指した、幼い頃の自分を思い出しました。

映像作品「Mind the Gap」も放映されています。
交流館のある仙台市営地下鉄荒井駅から蒲生干潟の日和山までの道のりを、3台の車載カメラで撮影した映像です。
展示されている以前の風景写真を見た後、映像で道のりを辿ると、改めて津波被害の大きさを感じました。

地域の人たちが製作した、日和山のジオラマ。
緑に覆われた震災前の日和山を再現しています。

日和山の標高は、津波被害により現在は3メートルほどになってしまいましたが、以前は標高6.05メートルありました。
階段も14段あって(今は4段くらい)。
頂上にはのんびりするのにちょうどいいベンチもありました。
かつて漁師さんたちが天候と波の様子を見ていた山頂からの風景は、潮の満ち引き、朝日と夕暮れなど、様々な表情を見せてくれていました。


震災後日和山周辺の地域は災害危険区域に指定され、現在は事業用地造成工事が行われています。
住宅も、日和山の大きな階段やベンチも無くなってしまったけれど、干潟の生き物たちは徐々に戻ってきています。


日和山周辺地域の今と、以前の暮らしに触れることができる企画展です。
是非足を運んでみて下さい。



せんだい3.11メモリアル交流館「仙台市宮城野区蒲生字町87」
期間 / 2017年11月7日から2018年1月28日まで
http://sendai311-memorial.jp/


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