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山元町 2020.03.09

「ナガサレールイエタテール 完全版」

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東日本大震災に関連する本のなかで、僕が一番ためになったエッセイ漫画「ナガサレールイエタテール」(2013年・太田出版)。宮城県山元町出身のマンガ家/イラストレーターのニコ・ニコルソンさんが経験した、ひとつの復興の物語です。

描かれるのは、母娘三代が力を合わせて、津波で流された実家を再建するまで。
震災直後の一般家庭の混乱や、助け合いと寄せられる支援、役に立つものと立たないもの、家屋の被害判定と建築制限、盗難や詐欺に至るまで、被災地で日々起こっていたことがよく分かります。想定外の震災の後に起こる、想定外の問題。それらはまぎれもなく、震災の教訓です。

次々に立ちふさがる難題を、戸惑いながらも明るくたくましく乗り越える姿は多くの感動を呼び、同書は第16回文化庁メディア芸術祭 審査委員会推薦作品に選ばれました。

時は流れて2020年。後日譚となる描き下ろしを新たに収録した「完全版」が刊行されました。2013年版は151ページ、今回の完全版は167ページです。初めて読む方はもちろん、前作を呼んだ方にもおススメします。ほろっと泣いたり、くすっと笑ったりした後に、きっとあったかい気持ちになれますよ。
(ニコさんの作品は震災と家族をテーマにしたものが多く、どれもつながりがあるのでコレクションしています。「ナガサレール~」の初版本はサイン入りです。うふふ)

また、ニコさんは、山元町が誇る旨いもの・優れた産品・特有の文化などをブランド化してPRする「やまほど、やまもと。」のロゴマークをデザインしています。町を訪れた際はぜひマークを見つけてくださいね。

ニコ・ニコルソンさんTwitter


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