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全般 2018.05.15

佼成女子吹奏楽部が宮城で震災・防災学習を行いました

拍 手2

東京都世田谷区の佼成学園女子中学高等学校吹奏楽部のみなさんが東北吹奏楽キャラバンとして宮城県を訪れました。
吹奏楽部のみなさんは毎年東北に足を運び、震災学習と演奏活動をされているそうです。今年は宮城県で震災について深く学びたいとのご依頼を受け、当センターで内容をコーディネートさせていただきました。


はじめに東北福祉大学に訪問し、震災講話と防災・減災学習を行いました。東北福祉大学は日本各地の被災地で多岐に渡りボランティア活動を行っており、学生ボランティアの指導のもと、体験型の減災・防災教育プログラムを提供しています。

震災講話では、石巻出身の学生が震災当時のことや、故郷の石巻から避難して自身が感じた不安や孤独感、そのとき感じたリアルな思いを話しました。一番伝えたかったメッセージは「当たり前と思っていることは実は当たり前じゃない。目の前の人を大切にしてほしい」。震災当時、同じくらいの年齢だった彼女の言葉は生徒たち全員の胸に響きます。

講話のあとは福祉大学が開発した「さんあい体操」のレクチャー。体を動かす機会が少ない避難所でのエコノミークラス症候群を予防する体操を学生ボランティアと一緒に行います。

続いて「減災クイズ」。読み上げられた防災・減災に関する問題に〇か×で答えるのですが、講話やさんあい体操の説明をよく聞いていた皆さんは迷わずに正解のほうを選び、答えが発表されると歓声があがりました。

最後にグループに分かれてワークショップを行いました。お題は「地元に戻ったら取り組んでみたいこと」。
まずは取り組みたいことを一人で考えて付箋に書き出します。そしてグループのみんなでそれぞれ意見を出し合い、内容をふくらませていきます。学生ボランティアからアドバイスを受けながら、自分ひとりでできること、部活としてできること、たくさんアイディアを出してくれました。書き出してみることで「自分たちにもできることがこんなにあるんだ」という気づきにもなりました。




福祉大の学生に見送られ、次に向かったのは仙台港に隣接している日鐵住金建材株式会社仙台製造所。震災前から日々の防災訓練やマニュアル作りなど、対策をしっかり行っていたことで人命を落とすことなく震災を乗り越えた企業です。震災後は、会社の技術を活かして津波避難タワーを開発。民間では初の仙台市の指定一時避難所となりました。

所長の阿部研仁さんから震災当時の様子や、津波で壊滅的な被害を受け、それでも会社一丸となって仙台製造所を再建させたことなど、被災した企業としてのお話を伺いました。
震災当時に従業員と周辺の住民が実際に避難した築山や、震災の経験と会社の技術を活かして開発した津波避難タワーも見学させてもらい、生徒たちは興味深く見入っていました。


東京からバスでの長旅でしたが、どの生徒さんも疲れを見せることなく積極的に震災学習に取り組んでくれました。さんあい体操はいまでも部活や勉強の合間にやっているそうです。日常に取り入れてると、いざというときにすぐ役立てることができますね(^^)

今回学んだことを活かして、ぜひ自分の住む地域でも減災・防災に取り組んでほしいと思います。
また来年もぜひ東北へいらしてくださいね。


(まる。)


佼成学園女子中学高等学校HPにも震災学習の内容をご紹介していただきました!
こちらもぜひご覧ください。

佼成学園女子吹奏楽部 東北吹奏楽キャラバンのご報告(1)